注染手ぬぐい「未来へ。令和三年アル日ノ大和屋履物店。」-柳家 小春-

注染手ぬぐいドリームチームの紹介は、小倉染色図案工房、小倉が担当させていただきます。
まず1人目は音曲師、柳家小春さんです。

小春さんとの出会いはもう20年近く前で、共通の友人からイラストレーターの
イソノヨウコさんとして紹介されました。
婦人公論や東京人、七緒など人気の雑誌にイラストコラムの連載や挿し絵を描いていて、ご本人と同じく、独特の柔らかな空気感のあるイラストがとても素敵でした。

そのあとすぐに、イラストレーター「イソノヨウコ」が、江戸粋曲の音曲師、柳家紫朝師匠のお弟子さんで「柳家小春」としても活躍されていることを知りました。

私が初めてその音を聴いたのは、
渋谷のんべえ横丁の小さな小料理屋さんの二階のお座敷でした。

確か初夏で、窓から夕まぐれの風がそよそよと吹き込み、
向かいの店で呑んでいたおじさんが、焼き鳥片手に上を見あげ、
「お、いいね、三味線だね」なんて目を細めていて、
キーンと冷えたお酒をちびりちびり飲りながら聴いた小春さんの三味線と唄は、
なんだかもう夢の中のようで
ああ、この時間を私は一生忘れない、と思ったのをよく覚えています。

小春さんは、その絵も、三味線も唄も、人柄も、
ゆるゆると可愛らしく、でも芯が1本ぴーんと通っていて、
なんと言っても、誰よりも、江戸前の凛とした色気を持っているのです。
かっこいいのです。
そこに小春ファンは、みんなメロメロになり、骨抜きにさせられてしまうのです。

そんな小春さんの手ぬぐいが欲しいなーとずっと思っていて、今回その夢が叶いました。
大和屋がお願いしたのは、
いつものイソノヨウコのタッチで、柳家小春の描きたいものを描いて欲しい、
ということでした。
注染という制約の中で、なかなか難しいことでしたけれども、
染元の丸久商店さんや、注染の職人さんのご協力のもと、
まさに小春さんそのものの1枚ができたと思います。

「未来へ。令和三年アル日ノ大和屋履物店。」

令和三年、リニューアルオープンしたての大和屋履物店。
お店の中の様子をスケッチした。
空気をぼんやり掬ったような細く頼りない線が、
驚くほどしっかりと手拭いに染め上がった。
20年後にこの手拭いを見た時にリアルさを感じるかもしれない。
未来の大和屋へ。

柳家 小春

▪️柳家小春ブログ https://koharuya.exblog.jp/
※ライブ、CD情報はこちらでご覧いただけます。

▪️柳家小春 著「きものはじめて」(2,000円+税)
https://kuroneko2020.blogspot.com/
※手ぬぐい祭り期間、大和屋履物店でも取り扱っております

▪️手ぬぐい祭りオープニングライブ「柳家小春 江戸のはやり唄」
https://geta-yamatoya.com/blog/3137/