注染手ぬぐい「烏天狗、大和屋へ行く」-スタジオクゥ ひよさ&うにさ-

小倉染色図案工房の小倉です。

手ぬぐい祭りドリームチームのご紹介、いよいよ最後となりました。
コンビのイラストレーター、スタジオクゥのひよささんとうにささんのお二人です。

スタジオクゥさんはこれまでも注染で手拭いやお手ふきを作られていて、
大和屋でも常設で販売させていただいている大人気商品です。
そしてまた、すごい手ぬぐいが出来てしまいました。
スタジオクゥ書き下ろし漫画「烏天狗、大和屋へ行く」!
手ぬぐいです。
漫画の手ぬぐいです。

スタジオクゥさん著作のコミックエッセイは3冊あります。
ちょうどその1冊目『召しませキモノ』を執筆中に取材依頼をいただき、
初めて二人と出会いました。

1学年違いの美大出身ということですぐに打ち解け、
その頃茨城県竜ヶ崎にあった工房まで出向いてくれました。
ビールを飲んでうっかり終電を逃させてしまった、というのもあったのですが、
一泊しての十分すぎるほどの取材をしたはず。なのに。
その後数回にわたり聞き込み?は続いたのでした。
こんな取材は初めてでした。
なんというか、しつこいのです(笑)。
小倉充子が、こんなことを考え、こんな作品を作っている、
そんな通り一遍ではどうもダメなのです。
そもそも自分たちがなぜ小倉充子の仕事に興味を持ったのか、に始まり、
挙句に小倉作品が何を企んで、何を目指しているのか、
そんな自分でも考えたことのないようなところまで掘り下げようとしているのです。
その結果がどんな漫画になったかは、『召しませキモノ』を読んでいただくとして。
本を読み、ああ、私ってそうだったのか、なんて眼から鱗でなんだか感動したのでした。

最新刊『温泉浴衣をめぐる旅』の取材で、熊本県日奈久温泉に行くというので、
ついて行ったことがあります。
この二人のゆく所、面白いことがないはずがない!
この本は温泉宿の浴衣を目的に旅に出て、そこで出会う「オモシロイ」を取材した内容なのですが、
やはりしつこい(笑)。
二人は日奈久の町に四泊して、十数軒の温泉宿全てを回り、話を聞き、浴衣を見せてもらって、
全てのお風呂にも入り、下手すると2度、3度訪れているお宿もありました。
実際に取材する二人の姿をお銚子片手に遠目に見て、
こんな取材で本が完成する日は来るのかしらと心配になりながら、
でもこんな本、世界中絶対にどこにもないよなあ、と思ったものでした。
だからスタジオクゥの本には、タダモノではない、ネットにも本にもどこにも載っていない、
嘘みたいな「オモシロイ」がぎゅうぎゅうに詰まっているのです。

他にも書けばキリがないのですが、、、、。

熊本のグランドキャバレー「白馬」で柳家小春さんのライブを企画してみんなで行ったり、
大阪住吉でチンチン電車を貸し切っての出版記念イベント。
チンドン屋さんを呼んで谷根千を練り歩き、
更には、『温泉浴衣をめぐる旅』に因んで創作された井上新五郎正隆さん作「かけおちの湯」
という新作落語を、神保町らくごカフェで柳家小せん師匠が高座にかける、
なんということまでやってのけるのです。

そしてこれら「オモシロイ」には、いつも必ず二人の愛がぎゅうぎゅうに詰まっているのです。

「モウカル」と「オモシロイ」があれば、迷わず「オモシロイ」を選ぶ二人の珍道中は
まだまだ果てしなく続くのです。
(当然モウカッてオモシロイが一番だけど、そんなものはあまりない。スタジオクゥ談)

そんな二人の最新作
「烏天狗、大和屋へ行く」
ぎゅうぎゅうに詰まった大和屋への愛、
頂戴いたしました。

 

 

スタジオクゥ 「烏天狗、大和屋へ行く」

古い配りものの手ぬぐいのような、ストレートであっけらかんとした広告手ぬぐいに出来ないかしら……??
本の街、カレーの街、中華の街、純喫茶の街……何面相もの顔を持つ神保町の要素も入れたいし、下駄の絵は外せない!!
漫画仕立ての手ぬぐいは一度作ってみたかったんだよね♪
アレコレとやりたいことを全て入れたら、こんな手ぬぐいが出来ました。

スタジオクゥ ひよさ&うにさ

▪️スタジオクゥブログ「キモノは別腹」
 http://studiokuubetsubara.blog69.fc2.com/
▪️スタジオクゥ のコミックエッセイ
 『召しませキモノ』(イーストプレス刊/1,298円)
 『おひとり様のふたり暮らし』(イーストプレス刊/1,210円)
 『温泉浴衣をめぐる旅』(イーストプレス刊/1,324円)