2024.06.29(土)-07.10(水)|津軽塗り下駄展示販売会|galleryCASAICO(Special thanks:夏次郎商店)

大和屋履物店にて、津軽塗りの下駄の展示販売会を開催いたします。

日時: 6月29日(土)〜7月10日(水)
※6月30日(日)はお休みです。
場所: 大和屋履物店

新しいプロジェクトとして水面下で準備していたこちらのイベント。この3年間の様々な出会いがつながりにつながったイベントです。開催できることを非常に嬉しく思います。

青森県弘前市に拠点を構えるgalleryCASAICO様のご協力のもと、本場青森でご活躍の津軽塗り職人の皆さんに下駄を塗っていただきました。

このイベントをきっかけに、津軽塗りに触れて、知って、楽しんでいただけましたら幸いです。少し長文となりますが、このプロジェクトについてお話しさせてください。

【きっかけは下駄職人矢沢さんの言葉】

私たちのお店の下駄は職人さんと直接やりとりをして仕入れ、店頭に並んでいます。南会津の矢沢桐材店の矢沢さん、愛媛県内子のみやべもくりさん、お二人の下駄を主に取り扱っております。

お二人ともお会いしてお話しをさせていただくと素敵な方で、下駄へのこだわりを愛情たっぷりにお話ししてくださいます。

私たちがびっくりしたのは、矢沢さんから聞いたある言葉でした。矢沢さんから新しい下駄が届くと、発注数以上の下駄が入っていたのです。

その理由を矢沢さんに聞くと、

「その下駄は売れない。燃やすしかないんだけど、なんだか悲しくて…。」

木の塊から下駄の形を作る矢沢さんの下駄は、完成してみないと状態がわかりません。

できあがってみたら虫に喰われていたり、木の節が表面に出てしまっていたりと、売り物にできない状態のものが多数できてしまいます。その下駄の台たちは、燃やして処分するしかないのだとか…。

矢沢さんはご自身で作った下駄の台に人一倍の愛情を持っている方なので、ご自身で燃やすのは非常に心が痛むとのことです。

私たちもどうにかしたい一心になりました。

それでもどうすれば良いのか…私たちもずっと頭を悩ませていたのです。

【夏次郎商店さんとの出会い】

リニューアルをした年から毎年、大和屋履物店の壁を彩ってくださっている夏次郎商店さん。

インスタグラム:https://www.instagram.com/kogin_natsujirou/?hl=ja

X(旧Twitter):https://twitter.com/natsujirou

夏次郎さんは青森県出身の作家さんで、毎年こぎん刺しで作った花緒の展示会を開催してくださっています。

その夏次郎さんのイベント「いぱだだを履く。展」では、こぎん刺しの花緒に加えて、津軽塗りの下駄をオーダーすることができます。

このイベントを通じて、こぎん刺しだけではなく、津軽塗りの面白さや美しさを知ることができました。すごく伝統的に感じていた津軽塗りが、おしゃれで身近なものに感じることができました。

夏次郎さんのイベントを通じて、日本各地に美しいものが存在していて、残っていること。また、残そうと頑張っている方がいること。その文化や技術の発端や変化など、さまざまな歴史を知ることの面白さを実感しました。

さらに、そういったことを私たちのお店で紹介したいという気持ちが強くなりました。

そして、今回のプロジェクトをまとめてくださるgalleryCASAICO様をご紹介いただけたのです。

galleryCASAICO様は、津軽塗をもっと身近に、オシャレに、日々の衣食住にとけこむことを目指し、絵画、工芸やファッション小物などと併せて紹介している弘前にあるギャラリーで、漆塗工房も併設されています。

夏次郎さんの津軽塗りもカサイコさんを通じて制作されています。

【galleryCASAICOのカサイコさん】

カサイコさんとリモートで顔合わせをしました。その際に、津軽塗りについてたくさんのお話を聞かせてくださいました。津軽にたくさんの職人さんがいること、そして、活躍の場を探しているというお話を伺いました。

私たちからも矢沢さんの下駄のお話をさせていただきました。もったいない下駄を津軽塗りならば価値のあるものに再復活できるのではないかと考えたのです。

お互いの想いは見事にマッチし、今回のプロジェクトがスタートしたのです。

プロジェクトを進行していく上で、もっと深く津軽塗りについてカサイコさんに教えていただきました。津軽塗りには様々な技法があることやデザインも様々であることなど、新しい発見の数々に感激しました。

私たちがよく見る「津軽塗り」も見たことのない「津軽塗り」もたくさんあることがわかりました。初めてのイベントとなる今回は、それらを知るきっかけになる作品を制作していただきました。

様々な形の下駄を各職人さんにそれぞれ自由に制作していただきましたが、技法は様々な技法で塗っていただいています。そして、壁には津軽塗りのことを少しでも知っていただけるようにgalleryCASAICOから津軽塗りをご紹介するパネルをお借りいたします。

これらの展示から津軽塗りの楽しさ、奥深さについて、手に取りながら知るきっかけになっていただけたら幸いです。下駄の他にも、お箸や帯留め、アクセサリーなども展示させていただいております。津軽塗りの魅力に触れられるイベントとなっていますので、ぜひ足を運んでください。お待ちしております。